

やまと診療所 武蔵小杉
院長
- 木村 一貴
- インタビュー
競合多き都市部で、患者・多職種・スタッフの幸せを追求
幸せを考え続ける在宅医療
地方と都市の違いから見えたこと
私は2019年4月から毎週1日ずつ、やまと在宅医療所登米とやまと診療所 武蔵小杉で在宅医療に携わり始めました。登米と武蔵小杉、2つの診療所で勤務を始めたのは、地方の医療と都市の医療の両方を知りたかったから。全く違う地域の医療を同時に知ることができることに魅力を感じたのです。
実際、地方と都市部の在宅医療は180度違うことを肌身で感じることができました。地方では、在宅医療がほとんど浸透していないゼロからのスタート。在宅医療とは何かという啓発から始めて、病院ではなく自宅で診療や治療ができることを知ってもらい、興味を持ってもらい、導入につなげていかなければなりません。一方、都市部では多くの競合がいる中で、どのようにして自分たちの立ち位置を見つけて、地域に入っていくかを追求していかなければなりません。
また、患者さんの暮らす環境も全く異なります。地方では、家族と一緒に広い家に住んでいる方が多いですが、都市部ではマンションの一室に1人で暮らす独居の方が大勢います。
地域によってさまざまな生活スタイルがあること、そして、人によって幸せの形が違うことを実感しました。幸せの多様性を知ったからこそ在宅医療に腰を据え、人それぞれの幸せを考えていきたいと思い、2020年6月やまと診療所 武蔵小杉の院長に就任しました。

人それぞれの幸せを考え続ける診療所
私は、在宅医療を次のように定義しています。
「在宅医療とは、完全に治療することだけが目標ではなく、現在の状態からより良い状態にしていくこと。より良い状態とは、患者さんやご家族にとって幸せであり、生きやすいようにすること。治療のみならず、さまざまな人と連携しながらそれを実現していくこと」
もちろん、患者さんやご家族が幸せかどうかは、ご本人方が決めるものです。ですから、私たちやまと診療所 武蔵小杉は、患者さん方の幸せとは何か、どうしたら幸せになるかを考え続ける診療所でありたいと考えています。
また私は患者さん方の幸せだけでなく、地域の医療介護従事者、当診療所のスタッフの幸せも同時に追求していきたいと考えています。地域の医療介護従事者が働きやすいように、顔の見える関係性を構築して連携を取り、スタッフが自己実現できる環境を整えていきたいですね。
やまと診療所 武蔵小杉では、この思いに共感し、専門性を持ちつつ他の職種の意見も聞き議論し、高い次元を目指せる医師と一緒に働きたいと考えています。そのような医師が複数名集まれば、お互いを補いつつより強固なチームでより多くの方の幸せを考え続けられますからね。


やまと診療所 武蔵小杉
院長
木村 一貴
2007年東京医科大学を卒業。同大学病院で初期研修修了後、循環器内科に入局。東京医科大学茨城医療センターを経て、2019年4月より医療法人社団やまとにて、都市と地方を循環する働き方を実践。2020年10月、やまと診療所 武蔵小杉の院長に就任。
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